移住者の声を聞こう
アウトドア事業で起業の夢を
貴重な自然が残る養父市で実現
余根田孝一さん(出身地:養父市八鹿町)
紫野春菜さん(出身地:福井県大野市)
移住年:2014 年
職 業:自営業
孝一さんは地元企業に7年間勤めた後、自然に関わる仕事に就きたいと日本各地を回る旅に出る。気に入った北海道のニセコでアウトドアガイドの仕事をしながら、リバーガイドなどの資格を取得した。その間に、同じように旅をしていた紫野春菜さんと出会った。結婚後、二人で自然と関わることのできるアウトドア事業を始めたいと考えたとき、孝一さんの出身地である養父市にも貴重な自然が残っていることに気づき帰郷。
2015年5月、キャニオニングやスノーシューなど本格的なアウトドアが体験できる「ノースツアー」を開業した。
手つかずの自然が残っていた
活動の拠点となっている大屋町横行区は、孝一さんの母の実家が近くにあり子どもの頃に川遊びをした思い出の場所だった。現在は過疎化が進み20世帯ほどしか住んでいない。
「でもそのおかげで豊かな自然が残ったと思う。横行渓谷は県下でも有数のキャニオニングスポット。どこにでもあるものではない」と二人は口をそろえる。
人が自然に触れる場所づくり
ノースツアーでは、川や山を利用したアクティビティが楽しめるコンテンツを用意しており、シーズン中のキャニオニングコースは受入定員以上の予約が入るほどの盛況だった。主な利用客は子ども連れの家族。虫取りや魚取りなどの経験を持たない子ども達に、自然と触れ合う場を与えたい親が多いからではと二人は分析する。「田舎にしかないものがあり、私達は都市部ではできない役割を果たしているだけ」という。
田舎には若者にこそチャンスがある
孝一さんは「若者こそ田舎に住むべき」と強調する。「田舎は不便なことも多いが、若さと体力があれば未開拓の分野でチャンスを掴むことができるかもしれない。若者にとって田舎は可能性が溢れている場所だと思う」という自身の行動に基づいた言葉には説得力がある。
横行渓谷
大屋町栗ノ下区から氷ノ山に登る途中にある渓谷。トチやブナの原生林が美しく、秋の紅葉シーズンは初心者向けのハイキングコースとして人気がある。夏でも15℃を超えない清流にはヤマメやイワナなどが泳ぐ。近年、若い人の間で注目度が高まっているキャニオニング(沢下り)ができるスポットとして余根田さん夫妻に発掘された。
楽しかった!?古民家改装工事
事務所兼自宅の建物は、古民家をほとんど自分たちの手で改装したもの。材料代等300万、工事期間8カ月の力作です(笑)。
近所のおじさんは改装現場に毎日来て「こんなもんが住めるようになるんかぇ!」と心配して!? くださいました。ノースツアーのホームページに改装時の記録もアップしています。