移住者の声を聞こう
残された家を守るため
地の利を活かせる農業に取り組む
中川和真さん(出身地:大阪府和泉市)
薫さん(出身地:大阪府堺市)
移住年:2011年
職 業:農家
和真さんは祖父母が残した養父市に住んでいた家を守るために移住を決意。起業したいというタイミングでもあったため、田舎で起こすなら農業がいいと考えた。当時交際していた薫さんと大阪で結婚式を挙げ、一年間の農業研修を二人で受け2011年9月に移住・就農を果たした。人にも環境にもやさしい有機農業にこだわり、3.5aのハウス2棟でトマトと水菜、30aの露地で小菊を栽培し直売所やJA に出荷している。「守本ファーム」の“守本”は、現在住んでいる家の主が代々名乗った姓をもらいうけたもの。
やりがいのある農業を続けていく
有機農業にこだわり、野菜は農薬や化成肥料、ホルモン剤などを使わずに栽培している。「農業の魅力は、自分の城でやりたいようにできるところ。失敗しても対策を考えてチャレンジできるところがいい」と和真さん。まだまだ、計画通りに土作りや収穫はできていないが、少しずつステップアップしている手応えを感じているという。
庭先で享受できる恩恵
自宅の庭にはたくさんの木や花が植えられており、春にはフキノトウ、初夏には山椒の新緑が季節の到来を告げる。他にも梅や柿、栗の木など食べられる実をつけるものが多くあり、四季折々の旬の味覚を楽しむことができる。自然が上手に取り入れられた庭を“ご先祖様からの素敵な贈り物”と二人は感謝している。
移住を考えている人へ
和真さんは「田舎暮らしに憧れを持つことも大切だけど、同時に田舎で何をするかというビジョンを持ってほしい。そうすることで多少つらいことがあっても前に進めるはず」と自身の経験をもとにアドバイスする。目標に向かって邁進する中川さんは、これからIターンして就農を考えている人のよいロールモデルとなっている。
若手農業者が情報交換をする場「5H やぶ」「七つぶの種」
二人はそれぞれ養父市内の若手農業者で構成する団体に所属する。和真さんは若手農業者グループ「5H やぶ」で、薫さんは女性農業者グループ「七つぶの種」で情報交換や研修などを行う。有機農業を実践する先輩やI ターンの後輩就農者などさまざまな立場の人の意見を聞くことができ、農業の喜びや苦労を分かちあえる場にもなっている。
古民家ウラ話
冬の古民家はいろいろと大変です。野菜の袋詰め作業は家でしていますが、家の中が寒いので、サッシを閉めて、二重のカーテンや襖もきっちり閉めて、ストーブを点けてからやっと始められるようになります。また、大雪の日は車を出すのに雪かきをしないといけません。初めての経験で焦りました。今では、朝から良いウォーミングアップになっています。
拠点 |
守本ファーム
養父市上野106 養父市大屋町大杉(圃場)
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